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就業規則の基本条文を、労働基準法・民法等の関連法律条文とともに各条毎に詳細解説!これを読めば就業規則がまるっと分かります。
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[人事第11条(異動)

条文例



第11条 会社は、業務上必要がある場合は、従業員の従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合は、社員の就業する場所の変更を命ずることがある。但し、社員のうち、採用時に転勤を行わない又は転勤地を一定の地域に限る旨の定めを行ったものについては、就業する場所の変更はその範囲に限るものとする。


解説


 第11条では、人事異動について定めています。
 
 従業員の採用後に、従事する業務の変更を命ずることは原則として可能です。但し、会社の一方的な意思表示(命令)によって担当業務の変更を行うことは、従業員の意に沿わない場合などには争いを生ずるケースがあります。このため、「必要に応じて担当業務の変更を行う」旨の定めを就業規則に明記することにより、このようなトラブルに対する抑止を行うことができます。

 また、業務上の必要により、就業場所の変更を命ずることについても原則として可能です。但し、この場合「転居を伴うか否か」によって従業員にかかる負担が大きく異なることから、業務変更よりもトラブルとなるケースが多く見受けられます。このため、就業場所の変更の有無はもちろんのこと、会社の状況に応じて、転勤地の範囲(転居を伴うかどうか)についても言及をすることが望ましいといえます。

 なお、業務変更や就業場所変更については、全ての社員を均一に扱うことまでは求められていません。このため、社員の就業形態を複数のコースに分けて取り扱う「コース別人事制度」や、採用時に職種を限定する「職種別採用制度」を取り入れる企業も増加しています。ただし、これらの制度を取り入れる場合、現在在籍しているの従業員の取扱いや実質的な男女差別とならないような配慮を行う必要があります。

 上記の例は、(1)業務の変更は、パートタイマー・アルバイト等を含めた従業員全体に対して行われる、(2)就業場所の変更は、社員のみに行われ、かつ、採用時に転勤の有無や範囲について社員と取り決めを行う、ことを想定しています。実際の運用の際には社員を「全国型社員」と「地域型社員」にわけ、それぞれの社員毎にどのような活躍を求めるかを明確にした上で、処遇上の取扱いを定めることになります。

他の参考例



第11条 会社は、業務上必要がある場合は、社員の従事する業務及び就業の場所の変更を命ずることがある。
2 会社は、社員を除く従業員については、従事する業務及び就業の場所の変更を命じない。
※社員とパート・アルバイト等で業務・就業場所変更の取扱いを変える場合を想定。


検討のポイント



  1. まず、当社において、従業員の業務や就業場所を変更することがあり得るのかどうかを確認します。

  2. 業務や就業場所を変更する可能性がある場合には、対象となる従業員の範囲と変更の内容を検討します。

  3. 社員の身分によって業務や就業場所の変更の有無や範囲を変える場合には、それぞれの従業員に対し何を期待し、また、処遇とどのように対応させるかを検討します。


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