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就業規則の基本条文を、労働基準法・民法等の関連法律条文とともに各条毎に詳細解説!これを読めば就業規則がまるっと分かります。
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[人事第9条(トライアル雇用制度)

条文例



第9条 定期に実施する新卒者を対象とする場合を除き、採用を行うにあたって、前条に定める試用期間に代替して、業務及び就業への適正評価を目的とした3ヶ月以内の有期雇用契約(以下、トライアル雇用契約)を締結する場合がある。
2 トライアル雇用契約中の身分は嘱託従業員に準じ、雇用条件については、トライアル雇用契約に定めるところにより処遇する。
3 トライアル雇用契約の終了後、引き続き社員として雇用する場合には、前条の試用期間を設けないものとする。
4 前条第2項から第4項の規定は、本条において準用する。


解説


 第9条では、トライアル雇用について定めています。トライアル雇用とは、業務遂行に当たっての適性や能力などを見極めることを目的として、本採用の前に短期間の有期雇用契約を締結して試行的に行う雇用のことです。

 第8条の「試用期間」は、あくまでも一つの(期限を定めない)労働契約の最初の段階に設けられるものであり、試用期間中とその後の期間は一つの労働契約となります。従って、会社側はもちろんのこと、労働者側からであっても、試用期間終了時点で契約を解除したい場合においては、法に制限された範囲で一定の手続き(解雇や退職)を行わなければなりません。

 一方、「トライアル雇用制度」では、3ヶ月程度の有期労働契約を締結します。すなわち、トライアル雇用制度では、当初のトライアル雇用は3ヶ月経過時点でいったん終了し、その時点で、引き続き本採用を行うことを会社側・労働者側が共に希望する場合に、改めて通常の(期限を定めない)労働契約を締結することになります。すなわち、トライアル雇用制度が終了時点において、本採用となるかどうかは、会社側にも労働者側にも選択権があることになります。この点において、トライアル雇用制度は、通常の試用期間制度より双方の拘束力が弱い(=選択の自由度が高い)制度といえます。

 トライアル雇用制度を設けるか否かは会社の自由であり、必ずしも設けなければならないものではありません。ただし、トライアル雇用制度を設けて実際にトライアル雇用を実施すると、雇用関係の助成金の一つである「試行雇用(トライアル雇用)奨励金」が受給できる可能性があります。この助成金を受給することができる条件の概要は以下の通りです。


+経験不足等により就職が困難な求職者(※)を公共職業安定所の紹介により試行的に短期間(原則3ヶ月、1ヶ月や2ヶ月でも可)雇用すること
+雇用保険の適用事業の事業主であること
+トライアル雇用を開始した日の前日から起算して6か月前の日からトライアル雇用終了までの間において、従業員(一般の雇用保険被保険者)を事業主の都合により解雇したことがない事業主であること。

※「経験不足等により就職が困難な求職者」とは、以下の者を指します。
-再就職の実現が困難な45歳以上65歳未満の中高年齢者
-35歳未満の若年者
-母子家庭の母等
-障害者
-日雇労働者・ホームレス

 試行雇用奨励金が受給可能なトライアル雇用の期間は原則3ヶ月とされていますので、トライアル雇用制度を設ける場合には、この点にも注意が必要となります。(なお、雇用の目的に関わらず、有期雇用契約を締結する場合には、その期間が3年(一定の場合には5年)を超えることはできません(労働基準法第14条))

 トライアル雇用制度は、比較的新しい考え方の制度であり、運用形態も様々です。制度を設ける際には、自社の実態に即して十分に検討を行うことが求められます。

検討のポイント



  1. まず、自社の業務実態に慌て、トライアル雇用制度を設けることが良いかどうかについて検討します。

  2. トライアル雇用制度を設ける場合には、トライアル雇用の対象者や期間、処遇等について検討します。この際、「トライアル雇用後の本採用」時点における処遇も忘れずに検討しましょう。

  3. トライアル雇用の実施にあたって、助成金を受給できる可能性がある場合には、申請手続きについて予め確認を行うことが望ましいでしょう。



関連法令(労働基準法)


−第14条(契約期間等)

 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。
1.専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
2.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

2 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。

3 行政官庁は、前項の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。


参考


「人を雇い入れる事業主の方へ」(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c-top.html
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