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就業規則の基本条文を、労働基準法・民法等の関連法律条文とともに各条毎に詳細解説!これを読めば就業規則がまるっと分かります。
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[人事第7条(採用時の提出書類)

条文例



第7条 従業員として採用されたときは、採用の日より2週間以内に次の書類を社長へ提出しなければならない。
(1) 履歴書
(2) 住民票記載事項証明書
(3) 年金手帳及び雇用保険被保険者証(既保有者のみ)
(4) 卒業証明書(新卒採用者のみ)
(5) 秘密保持に関する誓約書
(6) その他会社が指定するもの
2 前項により提出する書類は、採用に関する手続き並びに採用後の労務管理のために使用する。
3 第1項の期間内に書類の全部又は一部が提出されなかった場合には、会社は採用を取り消すことができる。但し、本人の責によらないやむを得ない事由がある場合はこの限りでない。


解説


 第7条では、採用決定時に当該対象者に対して会社へ提出させる書類を明記しています。これは、採用決定から入社に至るまでの手続きとして位置づけられます。
 
 会社は、採用の手続きを進め、また、採用後の労務管理の参考とするために、採用にあたって必要となる書類の提出を求めることができます。これらの情報は採用者(従業員)の重要な「個人情報」であり、適切に管理することが求められます。この例では、第2項にて「提出書類の利用目的」を明示しています(個人情報保護法に対応する条文です)。

 採用時に提出を求めることが必要な書類には以下のものが考えられます。

1.本人であること並びに本人に関する事項を確認する書類
  −履歴書(本人の経歴及び免許等の確認のため)
  −住民票記載事項証明書(履歴書の住所等に相違ないことを確認するため)
  −卒業証明書(新卒採用の際、本人が卒業していることを確認するため)
2.採用時の手続き上必要となる書類
  −年金手帳、雇用保険被保険者証(労働保険・社会保険手続きのため)
3.採用に当って、本人に同意・確認を求める書類
  −秘密保持に関する誓約書(情報保護の観点より)

 上記の他、必要に応じて様々な書類を提出させることが考えられます。(例えば、資格が必要な職種の場合には免許証などの資格を証明する書類の提出を求めることが必要でしょう。)どのような書類を提出させるかは各企業ごとの事情により異なりますので、個別の状況に応じて検討を行うことが必要です。また、提出は求めるが、必ずしも全員が対象とならないもの(源泉徴収票等)については、「その他」にまとめて差し支えありません。

 なお、採用に当って身元の確認を行うための公的書類の提出を求めることは差し支えありませんが、この場合の書類として「戸籍謄本」や「住民票」を求めないように行政指導が行われています。これは、戸籍謄本や住民票に記載されている国籍や本籍等の事項によって労働基準法第3条の「均等待遇」に反する取扱いが行われる恐れがあるとされているためです。従業員の採用に当って、労働基準監督署や公共職業安定所等の官公庁へ戸籍謄本や住民票の提出を行うことはありませんし、また、このような書類の提出を求める企業には「何か差別的な考えがあるのではないか?」との憶測を呼びかねませんので、よほどの事由が無い場合には、これらの書類の提出を求めない方が望ましいでしょう。

 また、採用に当っては「身元保証書」の提出を求める場合があります。身元保証とは、従業員が会社に対して損害を与えた場合に身元保証人が損害賠償を保証することを言います。つまり、身元保証書を差し入れるということは、使用人(会社側)と身元保証人の間で身元保証契約を結ぶことになります。
 
 採用に当って身元保証書を求めるかどうかは、企業の任意に任されています。(但し、一部の業種では法律により身元保証書の提出が義務付けられている場合があります。)但し、身元保証書を提出できない場合において採用を取消あるいは留保するような場合には、その旨を募集時や就業規則の中で明示することが望ましいでしょう。また、身元保証を求めるかどうかの必要性についてもよく吟味する必要があります。

 採用書類の中には各種手続きを進める上で必要となるものもあるため、提出の期日を設けることが望ましいでしょう。この場合、提出の期日は「採用の日から○○以内」や「入社の日から○○以内」のように定めることが良いでしょう。(なお、「採用の日」とは採用の決定が行われた日であり、「入社の日」は、現に就業した初日のことを指します。採用の日から入社の日までの間はいわゆる「採用内定」となります。)また、書類の提出が遅れた際などに、本人にとって不利益となる取扱い(採用取消や解雇)を行う場合には、後々のトラブルを避けるためにもその旨を明記することが求められます。

他の参考例



第7条 従業員として採用されたときは、入社の日より5日以内に次の書類を総務部へ提出しなければならない。
(1) 履歴書
(2) 住民票記載事項証明書
(3) 秘密保持に関する誓約書
(4) その他会社が指定するもの
2 前項により提出する書類は、採用に関する手続き並びに採用後の労務管理のために使用する。
3 第1項第4号の書類については、採用決定の通知の際に合わせて通知するものとする。
4 第1項の期間内に書類の全部又は一部が提出されなかった場合には、会社は当該従業員を解雇することができる。但し、本人の責によらないやむを得ない事由がある場合はこの限りでない。


検討のポイント



  1. まず、現時点で採用時に提出を求めている書類をリストアップします。

  2. このうち、全員に提出を求めている書類をチェックします。

  3. 全員に提出を求めている書類について、一つ一つその必要性と目的を確認します。

  4. この他、提出を求めることが必要と考えられる書類を確認します。

  5. 書類の提出期日と、提出期日を超えた時の取扱いについて検討します。



関連法令(労働基準法)


−第3条(均等待遇)

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。


参考


「公正な採用選考について」(厚生労働省ホームページ)
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
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