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就業規則の基本条文を、労働基準法・民法等の関連法律条文とともに各条毎に詳細解説!これを読めば就業規則がまるっと分かります。
条文例
解説第5条では、会社及び従業員に求められる規則遵守義務を明示しています。 労働基準法第2条第2項には「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」と定められています。このため、このような条文がなかったとしても、就業規則の遵守義務が経営者側にも労働者側にも課せられています。 この例では、労働基準法上の遵守義務を就業規則の中に明示することによって、就業規則の作成者である経営者として、就業規則を遵守する旨を宣言するとともに、従業員側にも改めて規則遵守を求めています。 検討のポイント
関連法令(労働基準法)−第2条(労働条件の決定)
条文例
解説第4条では、「監督または管理の地位にある者」の定義を示しています。 労働基準法上は、「この法律で『労働者』とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」と定められています(第9条)。つまり、事業規模の大小、職種、職務、職位に関わらず、「事業に使用される者」であれば労働者として扱われ、労働基準法の適用を受けることとなります。これは、部長や課長等といったいわゆる「管理職」でも同様です。
しかし、労働基準法では「監督若しくは管理の地位にある者」については、「労働時間、休憩及び休日に関する規定」に関する適用が除外されており(第41条)、多くの企業では、「監督若しくは管理の地位にある者」を時間外手当等の対象外とする等のように他の従業員の就業条件とは別の扱いをしています。このため、「監督若しくは管理の地位にある者」に該当するか否かということが、労使間でのトラブルの要因となる場合があります。(特に「課長代理」や「サブリーダー」等のような「境い目」部分において、トラブルが起る場合が見られます。) 労働基準法にいう「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲の解釈については、次の通達が出されています。
労使間の無用のトラブルを避けるためには、就業規則上で「監督若しくは管理の地位にある者」を明確にすることが望ましいといえます。しかし、当然のことながら、労働基準法でいう「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲に無いものを「監督若しくは管理の地位にある者」として扱うことはできません。 したがって、法律の定めに沿うことを前提とした上で当社の状況に応じた定義を決めるとともに、労使ともに納得の上で運用を行うことが求められます。 なお、現在では会社内での役職が階層的になっていないケースも多く、「監督若しくは管理の地位にある者」であるかどうかについては、法律上の慎重な判断が求められます。従って、実際の検討の際には、専門家のアドバイスを求めることが望ましいでしょう。 検討のポイント
関連法令(労働基準法)−第9条(定義)
−第41条(定義)
関連通達−監督又は管理の地位にある者の範囲(昭和63年3月14日 基発第150号)
[総則] 第3条(用語の定義)
条文例
解説第3条では、就業規則中で用いられる用語の定義を記載し、就業規則で用いられる各用語の解釈(意味)を明示的に示しています。 就業規則の中では数多くの言葉が用いられます。しかし、これらの言葉の中には、人によって解釈が異なる場合も多々あります。すると、万が一従業員とのトラブルが発生したときに、トラブルの解決のために余分な労力がかかることになったり、場合によっては、経営陣の意図しない解釈(=従業員サイドの解釈)が裁判で認められることにもなりかねません。このため、用語の定義を明確にし、誰もが統一的に解釈できることが「就業規則の実効性」を高める上で極めて重要になります。 用語の定義として定めておくことが望ましいこととして、「従業員の身分」があります。会社の従業員の身分には一般的に「社員」「嘱託」「パート」「アルバイト」などがあり、それぞれの従業員がどの身分であるかによって就業条件が異なります。 しかし、これらについて法律上の明確な定義はなんらありません(法律上では、例えば「期間を定めて雇用される者」等のように示されます。) 従業員の身分によって就業条件が異なるということは、就業規則の適用が変わるということに他なりません。従って、それぞれの従業員がどの身分に属しているかということは、経営者にとっても従業員にとっても大変重要なことなのです。従って、このような「従業員の身分」について「就業規則上で用いられる定義」を決め事としてはっきりと明示しておくことが求められます。 上記の例では、会社の中の従業員の身分を「社員」「嘱託従業員」「パートタイマー」「アルバイト」「その他の雇用者」と区分し、それぞれに対して明確な定義を定めています。繰り返しになりますが、従業員の身分に関する法律上の明確な定義はありません。このため、それぞれの従業員の身分について「どのような定義に対して、どのような用語を用いるか」については会社の選択に委ねられます。「就業条件の取扱いを変える必要がある従業員はいるか?」という観点から会社の実態に即して定義を検討することが必要になります。 以下に、従業員の身分に関する用語の定義の例を示します。
なお、上記の例には記載がありませんが、他の用語についても、社内において解釈が一定しない用語があれば、用語の定義として定めることが望ましいでしょう。 検討のポイント
条文例
解説第2条では、通常就業規則の「適用範囲」を記載し、就業規則の適用を受ける従業員の範囲を示しています。 通常の就業規則は、「全ての従業員」に適用することが求められます。「全ての従業員」の中には、いわゆる「管理職」の社員も含みますし、パートタイマーやアルバイト、嘱託職員などの雇用形態が異なる従業員も含みます。雇用形態毎に就業規則を設けることも出来ますが、この場合は、全従業員がいずれかの就業規則の適用を受けなけばなりません。 なお、会社の役員(取締役等)については、会社と「雇用関係」にはありません(「委任関係」になります)ので、就業規則の適用は受けません。また、取締役部長のような、一人の社員が「役員」と「従業員」を兼務している場合には、「部長」部分においてのみ、就業規則の適用を受けることになります。 上記の例では、第1項にて「当社に雇用される全ての従業員」を適用範囲とし、この就業規則が「会社の基本となる就業規則」となることを示しています。そして、第2項にて、雇用形態が通常と異なる従業員については、この就業規則とは別の定めを設ける場合があることを明示しています。 検討のポイント
条文例
解説第1条では、通常就業規則の「目的条文」を記載し、この就業規則が持つ基本的な性質を表しています。これは「任意記載事項」であり、法律上記載を要求されているものではありません。 上記の例では、まず第1項にて「労働基準法第89条に基づき」と、根拠条文を示しています。これにより、就業規則の効力や基本的な役割を明確にしています。 第2項では「規則に定めのない場合」についての、第3項では「労働契約に別の定めがある場合」についての取扱いを定めています。就業規則は「集合的な労働契約」の性質を有していますが、個別の労働契約がある場合には、個別の内容が優先されます。したがって、それぞれの優先順位は
となります。 ただし、上位の定めは下位にて定める基準に達していることが求められます(労働基準法第13条、第92条、第93条)。下位にて定める基準に達していない上位の定めについては、「該当部分」が無効とされ下位の基準が適用されます。上記の例では、第2項、第3項をにて就業規則と労働契約、法律の関係を明記しています。 ここまでの解説の通り、就業規則は「当社における労働契約の最低基準」を示すものであり、「全従業員に一様に適用される」事項の定めとすることが必要です。 検討のポイント
関連法令(労働基準法)−第13条(この法律違反の契約)
−第92条(法令及び労働協約との関係)
−第93条(効力)
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